精神障害は基本的に「ふつうに」働けない
精神障害者1級の人が職場にいる友人の話です - 友人の会社には障害者と... - Yahoo!知恵袋
精神障害は基本的に「ふつうに」働けない
ヤフー知恵袋に投稿されていた質問です。
1級でうつ病があったらさぞかし辛いのではと思いますが、きちんと出社する形態の労働で働いている方の話だそうです。
私は逆に適応障害らしきものを発症してうつになったパターンなのですが、鬱病で1級持ちだと相当に具合が悪いのでは……? と思います。
以前、鬱病で2級を持っていながら「鬱病とは!」と御高説を垂れ流していた方が「手帳返上しても働きたい」と言っていて結局ゲームだのやってて大顰蹙を買っておられたのですが、現実には1級でも働いている人がいるそうです。
私は発達で3級でもふつうの職場では働けなかったのでなんとも言えないのですが、昨今の障害者労働の中でも、とりわけかなり条件が厳しいのが精神障害者による労働雇用だと感じています。
精神障害者は働けないけど働き方が選べたら人生違う
精神障害があったら、本当に働けないのでしょうか?
これはなんとも言えない問題だと思います。
けれども、「勤務先」が労働8時間の週5日出勤などというふつうの会社だったら、まず無理だと思います。
私の知り合いですが、以前はふつうに会社づとめをしていて統合失調症を発症し、出社できなくなった人がいます。
リハビリ支援施設などで治療を受けその後、その人は自分で会社を興して自分のペースで働けるようになったら、「普通に」働けるようになったそうです。
でも、その人はわりとお金に余裕がある家庭だったので、明日食べるお金にも苦慮している精神障害持ちの人は、会社を興すまでお金が回らないと思います。あくまで一例です。
精神障害者に必要なのは、究極の「裁量性」
精神障害がある場合、普通の人が働いている時空間のシステム(例:オフィスへの出社、電車通勤など)が難しいです。以下に例を記します。
- 通勤=体調に波があるので、オンタイム通勤が難しい。また電車通勤が困難な人もいる。
- 労働時間=強制された時間通りにこなすのは難しい。
- 人間関係=難しい
この3要素だけでも、ふつうのオフィスへの出社はとても難しいと思いませんか?
障害があるから労働は無理、とは私は思いません。でも、働く場所や、その労働によって生活していく上で十分な保障をもらえる職場は、日本におそらくありません。(あったら教えてほしいです)
だから、精神障害者にくくられる人々は(発達障害も含め)生きていくうえの最低限の食費・生活費などはもらうべきだと私は思います。なぜなら、生きているからです。
発達障害については、軽度の症状でも大変生きづらいため、生活できる最低限のお金がもらえるよう、障害年金拡充署名を行っています。
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でも、これはあくまでノーマライゼーションの基本的な部分です。
ここから、発達障害のように生きづらい障害があっても、ふつうの人並に這い上がる手段はもっと開かれてもいいと思います。たとえば、自分の能力が活かせたり、自分のペースでできるものづくりの工房や職場(個人事務所など)を作ることができれば、社会にも参加できて、障害が障害でなくなる日も近いでしょう。
(ひと時代前はこうだったんですけどね)
精神障害があっても労働はできるのか?
精神障害に労働は無理、とは言いません。
ただし、決められた工場や会社のようなルーチン労働に身体の症状を合わせていくことは困難です。
企業の出勤ワークルールに縛られなければ、もっと自由な生き方ができると思います。
上の障害年金拡充運動は、その基本になるものです。
食と住の問題が解決されなければ、「障害」とされる人たちが「障害」を特性に変えることは難しいのです。
中小企業が淘汰されててしまい、誰かの作ったお仕着せの労働ルールに縛られまくっている現代社会の労働では、ちょっと感覚が敏感だったり、コミュニケーションがとりづらいだけで「障害」になってしまいます。こんな社会ではみんな障害者となっても仕方がありません。
ふつうに生きていくためのノーマライゼーションを生きづらいみんなで考えたら、世の中がもう少し素敵になるのではないかと思います。