30年間泣いていた<発達障害なんてない>

発達障害者雇用で就労していた筆者が、発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、自分&他のケース、独り言などをまとめました

<発達障害者雇用で働いていた筆者が、
発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、
自分&他のケース、独り言などをまとめました

【悲報】発達障害が世界で一番多いのは日本だった ?

発達障害の割合が多い国ランキング

 

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みなさんお久しぶりです。
久々にコメ見たら、「なんで発達障害なんか守る必要があるんですか」とかいう心無いコメントを下さった方ありがとうございます。あなたみたいな心無い人が1人でも消えるようにブログやってるので励みになります。

さて、今日は海外の記事紹介になります。

 

 

www.insidermonkey.com

11 Countries with the Highest Rates of Autism in the World - Insider Monkey

 

海外のサイトなのでどれだけのデータで構成された記事かはわからないので真偽のほどはともかく、 自閉症スペクトラム率が高い11カ国の紹介だそうです。

 


***


自閉症の初出は、16世紀教会主義の改革者マルティン・ルターの記述。
自閉症という言葉自体は1910年に生み出され、その後1938年に研究され、現在のようになった。

いくつかの諸説は出ているものの、自閉症の原因はまだ解明されていません。
しかしながら、自閉症と認められる数は毎年格段に跳ね上がっています。ある説によれば、その数はここ数年で、10%から17%にもなったというから驚きですね。

自閉症自閉症スペクトラム(以下ASD)は様々な症状を含むようになったので数が上がっているので、数が増えることは仕方がないともいえます。
ある専門家は、今日自閉症ASDと呼ばれる子供たちは、10年前には精神遅滞学習障害(learning disabilities)と呼ばれたものも含まれているといいます。

中でも、とりわけこれら自閉症ASDの割合が高い国は先進国にみられます。
研究が進んだことにより、これらの国の人々が自閉症ASDをより見つけやすくなったというのもありますが、米国でもよい施設がある州ほど発見率が高いそうです。(リストの元になったのはやや古いデータだが、これしかデータがなかったと元記事) 

 

以下に発表される11の国にも、健康管理に力を入れている国がいくつかあります。

筆者は、これらのリストに入っていない国もあったり、言語の違いによって診断テストにも差異があるため、偏ったランキングになっているかも、と付け加えています。

 


それでは早速見てみましょう!

 

自閉症自閉症スペクトラム率の多い国トップ11


11位 アイスランド

自閉症の割合 : 13.2 件 (10,000 人あたり)

*首都レイキャビクの2地域で行われた。少人数の国民にしては多い割合だという

10位 ポルトガル

自閉症の割合 : 16.7 件 (10,000 人あたり)


9位 中国

自閉症の割合 : 16.9 件 (10,000 人あたり)
※全国規模でやったものではなく、香港の15歳以下の子供だけが対象。やや偏った数字


8位 ブラジル
自閉症の割合 : 27.2 件 (10,000 人あたり)


7位 オーストラリア
自閉症の割合 : 45 件 (10,000 人あたり)
※2回行われ、39.2(2004)/51(2010)という数が出た中間値。

6位 カナダ
自閉症の割合 : 64.9 件 (10,000 人あたり)

5位 アメリ
自閉症の割合 : 66 件 (10,000 人あたり)
※州により大幅な開きあり

4位 デンマーク
自閉症の割合 : 68件 (10,000 人あたり)

3位 スウェーデン
自閉症の割合 : 72 件 (10,000 人あたり)

2位 イギリス
自閉症の割合 : 94 件 (10,000 人あたり)

1位 日本
自閉症の割合 : 181.1 件 (10,000 人あたり)

 

 

各国調査対象年齢や地域、数が異なるため、全世界規模フォーマットではないので偏りのある数字だとはいえます。しかしながら、それでも、日本人の数が段違いに多すぎないでしょうか…?
2位のイギリスと比べても2倍近くあります。

 

なぜ日本が突出して多いのか?

ここで大きな疑問です。

同じ東アジアにおいて、台湾や韓国が入らず日本人にこれだけ発達障害が多いのでしょうか?

 

あくまで私の考えですが、日本の社会的風土が原因のではないか、と思っています。

  • たとえば、就職時の「足切りライン」や、就職後の「社会人」として求められるレベル・業務への関わり方への種類があまりにもワンパターンである。
  • 非正規と正社員の格差が大きい
  • 新卒時に就職できなければほぼ会社員になることが難しい など。

みんな一斉に、ある時期に就職し、デスクワークに向いている、上司に反抗しない、1分でも遅刻したら人にあらず、会社の不正にも適度に目を瞑ることができる、などなど。

 

日本の社会人として必要なのは、組織に従順で組織の色になじむ、ようは「家来」です。自分の考えで好きなように働く人ではない。

自分の考えが強すぎる発達障害は「個性」などでは認められず、ただ「場を乱す邪魔者」にしか映らない。だから、逆説的に言うと、日本では発達障害でうまくお金を稼げている人は「自営業的な生き方」もしくは社長業が多い、とも言えるのではないでしょうか。

 

 

効率的な経営と自閉症スペクトラム

そして「数で管理される社会」になってから、数にとにかくシビアな経営が求められるようになりました。

 つまり、下の足切りライン=基準がどんどんハードルが上がり、効率的な労働をできる人がどんどん評価され、それ以外の平均的な人ですら、働くのが苦しくなってきています。

 

数や時間を気にしないのであれば、手作りの職人って、オタクや偏執的なこだわりのある人が絶対向いてます。でも、システムが変わってしまったから、それらの人が要らなくなってしまった。

京都で生活保護がもらえず、お母さん殺して自分も自殺しようとした方も、たしか元は伝統工芸の職人さんだったとききます。職人なんて体で覚える仕事は、育成に時間がかかる上、伝統工芸のような品は、販売する数が飛躍的に上がる製品ではありません。

 

 

海外製工場製のペラペラ複製品が世の中に普及し、伝統的方法がすべて破壊され、「人の技能」「人の作る個性」がきちんと評価されない社会って、異常なことではないでしょうか?

 

 

 

 

日本は「ものづくりの国」 <日本人の個性とは?>

「コミュニケーション力」が叫ばれて久しい社会ですが、日本人はこれほど「コミュニケーション」が得意な生き物だったでしょうか?

 

コミュ力の強い人が企業に勤めて営業し、コミュ力のない人がものづくりを支えていたのに、コストカットで海外工場移転でものづくり職人たちの居場所はどんどんなくなっています。
そこまで喋る必要がなかった国で、いきなりここ数十年で「コミュ力」という言葉だけが先行してしまって、発達障害があったり、自閉的な傾向の人がどんどん追いやられている。これって異常なことじゃないでしょうか。

 

もっとマス的な見方をすると、そういう傾向の人々は、会社員としての就職機会を失う」=「もっとも安定した個体の生存方法」が、もはやできなくなる。

ある意味、欧米型や即座なレスポンスができる人だけを選別する「遺伝子淘汰」が行なわれているのです。

 

海外の資本生産体系を真似だけして、自国民が死んでいくーそんな状況が繰り広げられている。

日本で数少な正社員の席につく人は、そうでない人たちを文字通り、影で、”殺している”のかもしれません。


近頃トレンドの「サステイナブルな社会」を目指すなら、まずグローバル化や均質主義をやめることが多くの人が幸せになる近道だと思います。

また、数字に追われて営業成績130%をクリアしたら、次は140、150・・・とただ数字を上げていくから、働く人は疲弊し続けるし、どこかで擦り切れたり、ついていけなくなった人は「発達障害である」とか、「適応障害である」と言われてしまう。

それは果たして本当に「障害」なのでしょうか?

 

均質で定型的な「会社員」像にそぐわない人は、みんな淘汰される。淘汰された結果、「発達障害」が増える。追われるレベルが上がるたびに「発達障害」が増える。

そんな気がしています。

 

 筆者の感想

数を求めすぎた結果、人を傷つけて殺していく社会って、言い換えれば共食い社会です。その犠牲者は「発達障害」とか、「○○障害」と名付けられた人々なのでは?

 

また、資本が成熟しすぎて企業が肥大化し、そのルール下に忠実な「会社員ができる人」と、そうしたルールに心身従えない「発達障害」は共存していくことは難しいのかもしれません。日本特有の、まわりの人への同調圧力が数字に如実に出ている、とも見えます。

また、関谷大輝さんの著書のような、「感情労働」も、サービス業の多くなった社会では極端に増えました。

 

あなたの仕事、感情労働ですよね?

あなたの仕事、感情労働ですよね?

 

 

 日々疲れ果ててしまうのは「感情労働」のせい? : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 1/6

 

日本には資源が少なく、またものづくりの基盤が海外工場へ移転しました。その分、サービス業や「感情労働」が増えたのではないでしょうか。

 

 

また、日本の診断数が多いという件について。別の見方をすると、ASD自閉症スペクトラム障害)が有名になり、「ウチの子ももしかして…?」と日本人特有の雨後の筍根性で診断に行って診断受ける人が増えた(日本は保険制度があるので気軽に診断を受けやすい)というのもあるかもしれません。

 

 

発達障害者への障害年金拡充署名活動を行っています*

発達障害にとって、大変生きづらい社会の根本原因は「企業人」として雇用されないことに原因があります。雇用されたとしても、私のように「能力不足」を理由にいじめられたり、最低賃金ということも少なくありません。

発達障害の人がきちんと生活をできるよう、障害年金受給拡大署名にご協力と署名をお願いします。

キャンペーン · 厚生労働省: 軽度含めた発達障害者への障害年金の拡充を! · Change.org
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