30年間泣いていた<発達障害なんてない>

発達障害者雇用で就労していた筆者が、発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、自分&他のケース、独り言などをまとめました

<発達障害者雇用で働いていた筆者が、
発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、
自分&他のケース、独り言などをまとめました

発達障害者雇用は事実上のエタヒニン制度である

タイトル通りです。

 

この事実を隠して、障害者雇用とかいうバカなこと言ってちゃいけません。

 

私は大学卒業後、発達障害精神障害枠で時給930円の身分アルバイトになりました。

身体障害採用で正社員の仕事ができる人間は、障害年金+収入があるため暮らしていけるのですが、仕事をするだけ無駄な時間を使うのが軽度精神障害枠の雇用です。
そういう枠で働き始めた結果、これは事実上のエタヒニン制度である、ということを身を持って体感しましたので綴っていきたいと思います。

 

 

 

 

障害者雇用に効率を求めてはいけない

 


職場の会議があって、全体的に能率的に働きましょう、というお達しであった。
また、障害者雇用率をもっと上げるということを言われた。

 

おそらく、私が最低賃金の時給930円の割に、給料が4倍の正社員よりも雑用をやらせるのにすごく都合よく働くからだと思われる。

 

確かに、最低賃金で普通の事務仕事をこなすスタッフが雇える(+微量の税金優遇)があるのは、雇用する側にとってはおいしいことだろう。正社員や派遣にやらせたらコストが嵩む、しかし決してなくならない作業(封入やこまごまとした事務仕事)を、最低賃金のバイトで片付けられるのだから。

だが、それは雇われる障害者側にとっては、自分の身銭を削って行なっていることだということを理解してもらいたい。そして、その労働は人の3倍エネルギーを使って行なってる作業である。
ここで毎日書いているように、私が低賃金で悲しみながらやっている成果である。

その時給930円は、私が泣いて、泣きながら働いて稼いでいる金である。

 

そもそも時間通りに動いたり、通勤するだけで相当なストレスを受けている上に給料が低いので、通勤にかかるコスト(服、靴、化粧品、まともな社会人として必要な形態を維持するためにかかる金銭全て)を自分で出している。仕事をする上でかかる食費や飲料代だってバカにならない。

 

私はいつも言うように、人の3倍くらい苦労して、それでも「あいつは給料泥棒だ」とか後ろ指を指されながらの程度のパフォーマンスしかできない。

 

かと言って、4倍の給料をもらっている正社員は、私にはできないマルチタスクで長時間勤務をしている。そして、あの人たちは私の4倍給料をもらっていく。それが事実である。

福利厚生を含めると、6倍くらいかもしれない。正社員という公的に保証された身分であるのを含めると、もう数万倍くらい差があると言ってもいい。

 


正社員様のカウントする数字の奴隷の障害者雇用

 


正社員のような長時間労働には、もちろん私の心身は耐えられない。だが、同時に「なんだ、やっぱり障害者雇用で雇われる人は最低賃金で働かされる、ただの都合のいい人なんだな。また障害者雇用をしたら、自分のように低賃金で働かされて、お金が稼げなくて悲しむ人が増えるのか…」と、自分にほとんと関わりのない運営会議を聞き流しながら思っていた。

私はあくまで事務補助であって、運営の部分になど関わり合いがほぼない。業務の内容をある程度把握する必要はあると思うが、そこを担うようなキャリアの積み方などしていないのである。

意思決定の全くできない職務で、かつ時給も正社員の4分の1である。

言い返せば、あの人たちは、私が来るまでは、同じ仕事をして4倍の給料を取っていたことになる。

 



キャリアの段階でもう何もかもが正社員様と違う障害者雇用

 



うちの会社の場合、障害者雇用では他の社員のようなキャリアは積ませてもらえないようである。
私は中途の時期でしかもバイト入社だったので、他の新入社員のような全体研修などもなかった。


他の正社員が「あの人、新人研修の時にさー」などと他の部署の人のことを色々話しているが、私は他の部署の人の事なんかほとんど知らないし、どんな人が同じ時期に入ったのかも風の噂でしか知らない。知り合い皆無である。むしろ、研修とかいうのすらない。つまり教育費もかけられていない、ただのバイトである。

 

キャリア形成のためのプロセスが全て省かれているため、私にはほとんど教育費がかけられていない。障害者雇用で入った私は、新人全てが本来行くはずの、泊まりがけの研修もすべて省かれている。この辺りもコストカットといえばコストカットである。

 

他の人は上のキャリアに進むのための研修、あるいは他のスタッフとの交流時間のためにそうした教育的時間と金銭が与えられているにもかかわらず、私はそうしたものが全くかけられていない。

結局キャリア形成に役立つ職業経験(運営や企画など)を積ませてもらえないので、結局採用の段階から、スタッフどまりが前提である。障害者雇用で「昇給がない」と言う声がよく聞かれるのはつまりそういう事である。

自分の場合も意思決定ができないただのスタッフであるので、今度正社員が一人抜けてしまうのに、やっぱり「お手伝い」要員のため戦力扱いされていない。一人手が空いている人がいても、結局「正社員の仕事ができる人」しか、フィールドのプレイヤーにはなれないのである。

 


毎度毎度、運営に関われないスタッフ職なのに、運営会議に出させられても「この人たち、こうして同じことしててもこの間に給料4倍出てるんだよなあ」と思って一人卑屈になってしまう。
だが、私は彼・彼女らのように長時間労働をしたら死んでしまう体質である。

かと言って、8万円の月収ではどのみち死ぬだけだ。

 

 

 

 





そもそも障害者雇用と効率のいい働き方は矛盾している

 


職場のえらい人が「効率よく仕事しよう」「残業すればいいというものではない」と最近のメディアでよく言われることをキリッ!とおっしゃっていたが、人件費をギリギリまでカットしているので、そんな業務量ではない。むしろ非正規雇用でいいから人を増やせばいいのに、と思うくらいである。

ただし、その業務量を減らすために、最低賃金で雇用した障害者を増やすことは、いかがなものだろう?

前々から言うように、発達障害も、通院が必要だったり(時間ばかり奪われて通院する金もないのだが)、車椅子のような大掛かりな装置のいる身体障害者も、その「効率のいい働き方」から漏れた人である。
つまり、ここでいう「効率のいい働き方」とは、運営的にはコスト削減であるが、「障害者雇用(時給930円)で穴を埋めて」「正社員(月収20万〜ボーナスあり)のライフスタイルを維持する」という、職業の貴賎カーストをブーストさせる経営のあり方なのではないか、と思う。

発達障害障害者雇用という観点でいえば、「効率よく働くことができない人=発達障害なのに、ここがまず矛盾している。

生産的な働き方という面において、私はそれができないので、障害者というくくりに入れられているのに、「効率よく」企業が働くために、雑巾のように使い捨てられているのである。


確かに、正社員は私の2倍くらい働いているかもしれない。だが、時給で換算すれば、私よりずっと高いし、福利厚生も多い。賞与はべらぼうに高い。(身分がアルバイトの私には、その賞与なんてものはない)

 

ホリエモンも、「本当に収益を上げたかったら障害者雇用は意味がない」と言っている。まともに考えたらそうなのに、「効率の良い働き方」のために自分の大切な時間を奪われ、できないことを人の3倍頑張ってるのに何一つ評価されず、ボーナスもなく、ただ使い捨てられるだけで、何一つ自分の意思決定できる仕事などできはしない。

そんな労働なんてしたくない。発達障害が年金も出ない状態で就労するのは身銭を切らされるだけだし、非常に馬鹿らしい。

 

まとめ

 

精神の障害者雇用は正社員未満の半端仕事しか与えられないので、非効率で正社員を肥やすだけの無意味な労働である。
障害者雇用なんてやるだけ馬鹿馬鹿しいし、まともな金も出ない労働ならしない方がいい。


私はどっかの「他人に迷惑かけてでも、障害者でも働かせろ!」とか言う障害者ブロガーさんと違い、(大抵そう言う人はブロガーと言う企業労働しない人種に落ち着いているのがこれまた苦笑するしかないのだが…)

他人に迷惑をかけてでも、障害年金保障なしの最低賃金でも、働きたくない。

 

 

少なくとも、私は障害者雇用をして悲しんでいる人間の一人である。

月収8万円では到底暮らせないので、障害年金を断られたら(生活保護では自立につながらない。理由は後半で)もう人生やっていけないのである。

私はエタヒニンではない。勝手に社会から障害だと決めつけられた人間である。

 

 

 

発達障害者への障害年金拡充署名活動を行っています*

発達障害は障害雇用されても最低賃金のバイトだったりします。

しかし、軽度だったり地域によって窓口の裁定によって差があり、年金受給が下りないとこのように大卒で時給930円と言うこともあり得ます。

月収8万円で人は日本で暮らしていけません。

発達障害の人がきちんと生活をできるよう、障害年金受給拡大署名にご協力と署名をお願いします。

キャンペーン · 厚生労働省: 軽度含めた発達障害者への障害年金の拡充を! · Change.org
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