30年間泣いていた<発達障害なんてない>

発達障害者雇用で就労していた筆者が、発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、自分&他のケース、独り言などをまとめました

<発達障害者雇用で働いていた筆者が、
発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、
自分&他のケース、独り言などをまとめました

発達障害者のために本当に必要な就労支援とは②

 

前回の続き。(昨日の記事と合わせてご覧下さい)

htt2415.hatenablog.com

 

今日も就労支援施設についてのお話です。

 

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「っていうか、お前らみんな発達という名の路頭に迷える発達障害者を使ってウハウハ委託金貰ってビジネスしてんだろ!? 政府も丸投げじゃなくてきちっと監督しろよバーカ! 」

 

 

という本音はともかく、まー発達障害者就労支援って本当にシステムとしてどうなの? と思いながら書いてます。

そもそも自分みたいな要領悪い発達障害は能率優先の資本主義社会に真っ先に必要ない存在だから社会から見放されるのであって、正直オフィス訓練受けてもあまり貢献できないと思うのが本音。

 

 

 

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生まれてしまったこと自体が間違いなのかもしれないとよく考えるけど、よく考えたら「治らないんだから仕方ないじゃない」(マリーアントワネットネキ)とも思う。

 

そもそも、身体障害者の人に「お前心臓が悪いんだから治せ!」とか、「お前足がないんだからつけろ」とか言いますか? 

発達障害に「仕事できるようになれ」っていうのって、それと似たようなものだと思う。訓練したからってそもそも一般人と同じメモリ積んでないし、注意認知能力も低いことが多いし、(逆もあるけど)、動作が鈍かったり、メモリがオーバーヒートして体が倒れたり…

 

あ、とんだハードモードで生きてるんだ私。

バイオハザードならレオンのようなナイフも持たないで、かつ足が短すぎてエイダのような蹴りも出せない状態で進んでいるみたいなものか。

 

かといってバイトだけでも生きられないし、そうしたら本当に生物学的に淘汰されちゃう…パチもタバコもしない。生活費のために使える年金かベーシックインカムが欲しい…

 

 

絶望的な求人票

障害者支援センターで、求人を見せてもらった。

 

<例>

 

パートアルバイト(販売)、週5 月10万

パートアルバイト(販売)、週5 時給850円×8h

契約社員(一般事務) 週5 オフィスワーク 月15万円

一番高い専門職っぽいので、SE 月20万円

 

 

オオゥ、絶望的な求人。

当然最初から発達障害とわかっていて正社員の求人なんてないし、だいたいが非正規である。(しかも安い)

ベーシックインカムニート発達障害の戯言とか言ってる人には、この求人票を目の前に叩き付けてやりたいわ。

一番上の求人なんて住むところがなかったら、終わってる。

一応、試用期間後に正社員になれるようなところはごく僅かながらあるけど、正社員でなければ人でなしみたいな風潮もずっと根強いこの国で、一生を非正規で過ごすとか悲しいです。また、発達障害の場合は(よほど重度でない限り)身体障害の人みたいにその分の埋め合わせ(年金)もないです。

 

それにしても本当に身体障害者って幅きかせてるなー。人権団体とかもタッグ組んでるしね。

 

 

 

だったら職業訓練だ!→利用できません

でも、そんなこと言ってたらニートになっちゃうから

でも、もしも手に職業があれば少しは給料や勤務条件も変わるハズだ

 

ハイ、そこで行ってみました職能センターの説明会。

でも、大学在学中は利用できませぇーん。

 

普通の文系に行っていた人間は、大抵が会社員になるのでしょう。

でも、例えば障害認定されたのが高卒後2つ目の学校で大学3年生の時だったとします。(Tさんの場合)

頑張って入った大学だし、やめられない。(むしろ大卒の資格がないと受けられない会社の方が多い。)

でも、このまま行っても一般企業に長く就職が見込めないのがわかったのだから、当然学校で学ぶことも変える必要がある。

 

今から自腹切って専門行けって言われても、大学ローン組んじゃってる人は行けないよねえ? 

うまく新卒で会社に入れたとしても、作業効率が悪いとか、コミュニケーション問題なんかで段々いづらくなるのは目に見えてるし。

 

「よし、じゃあこれ以上お金をかけられないから、ハロワの職業訓練校に入って手に職つけるぞ」→入れない。

職業能力開発センターも、フルタイムで行かなきゃダメっていう理由から大学卒業後にしか入れない。

 

で、説明会で「普通の事務なんてできないし、ものづくりの人にでもなるかー」とボンヤリ考えてたら、校長の人に

「こう言う手作業の仕事はやっぱり、仕事を始めるのが早ければ早い人ほどいい」

「できれば15歳くらい。トヨタも自分の専門校ではそうしている」

などなど言われました。

 

というか、よく考えたら発達の特有故か手先が不器用な為に「チョウ結びできなかった」ということを思い出す。それに(イヤーマフするらしいけど、)工業系は音うるさいらしい。もともと聴覚過敏なんで無理。

 

バイトとはいえ2桁以上職業を転々としているので、キャリアミスマッチという名の地雷は自分で躱すしかない。

 

 

だったら専門職訓練だ!→利用できません

じゃあ、卒後すぐの就職は諦めるより仕方ない。でも専門職のスキルをつけたら、もしも会社とうまくマッチングしなくてもやり直しがきくだろう。

 

K県の職能校でやってるグラフィックデザインやりたいなー! 電話したろ!

→「身体障害者しかダメです」

 

神奈川障害者職業能力開発校 - 神奈川県ホームページ

 

そう、障害者という名を冠しておきながら、(デザインだけでなく、)ほとんどの職業訓練コースが身体障害者向けなのである

 発達だって脳の機能障害なんだから立派な身体の機能障害だよね? 

前にも書いたけど、なんでここまで身体の奴と区別されてるんですかね

体が不自由なのはわかるけど、こっちは年金なんてもらえないし、就職だって、職業訓練だって、はじかれることはあっても、身体障害のように優遇されることはない。

 

 

 

ちなみにここ、発達向け精神障害者枠コースもあるけど、受けられるのは就労支援センターで受けられるようなオフィス系事務作業だけです。

 

※発達の人は所沢にある国立障害者リハビリテーションセンターに行けと言われます。そこでもやっぱりやるのはオフィス事務作業系です。

 

 

そんなわけで、早期に発達認定されてキャリアプランが決められていないと、どこかで絶対に履歴書に穴が開く仕組みになっている。

早くに障害が見つかった人ならまだやれるかも。でもたこのように遅く見つかった人は、不都合ばかりです

(主婦様で永久就職とかいうやつがやっぱり勝ち組なんですかねえ…)

 

本当にしてほしい発達障害のための就労支援

①早期診断の重要性

私は仕事ができないので「いわゆるアスぺではないか?」と思っていました。でも、区役所から紹介された精神科では診断すらできませんでした。

 

「薬、いる?」

 

これが初めて行った精神科にアスペ診断の相談に行って投げかけられた言葉です。

そのおかげで数年の月日が無駄になりました。まだあの頃なら、選べる仕事だってありました。必要な教育を受け直すことだってできました。本当にこの二人のヤブ医者は精神科医の看板を下ろして欲しいです。

 

②同情するなら金をくれ

やっと発達認定されたからといっても、すぐに自分のキャリアや教育を変えるなんて、先立つものがなければできないんです。

要は、お金をくれってことです。

(冒頭からカネカネカネカネ言ってるけど、結局世の中金でしょ?)

 

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無利子のローンとかでもいいから、自分の発達に気づいた時からやり直せるお金がほしいということです。先の国立リハビリテーションセンターの例のように、身体障害ばかり専門の職業訓練が無料で受けられるっておかしいですよ。

なんで発達障害者だけ苦手な事務作業やらせて、専門校に自腹で行けってなるんでしょうか。

 

発達障害によってメモリが少ないせいか、自分が長時間働けないのは事実です。

バイトですら週5働けばぐったりして何もできない。ミスも増える。

悔しくて精神科の先生に「もっと働けるようになりたい。訓練できる方法はないですか?」と聞いたけど、「ないよ」とサラッと言われた。

 

たこ「そんな! 運動して体力つきませんかね?」

先生(イケメン)「ううん。あなたの場合意味ない。感覚過敏もあるし」

 

要は人の倍以上脳が疲れてしまい、生存能力まで脳の容量を割けないというのです。

…だからこそ短時間で生活ができる専門職や、時間にある程度融通が利く特殊な職業につく必要があるんです。そのためには技術を習得するお金と時間が必要です。

 

でも現代社会では時間=お金だから、バイトですらうまく働けず、しかも遅くに診断された人は本当に詰んでます。

 

まとめ

 発達障害者が思う就労支援とは、早期診断&キャリアプラン

要は、早期診断とお金の支援が不可欠です。

 

自分は発達ということを知ってから自分の特性を見つめ直すことができ、自分に合う仕事もなんとなく分かってきました。(でも、もう年齢的にほぼ受け付けてもらえないんだろうな)

 

適性がわからなければ、キャリアに踏み出すまで時間が人の倍以上時間がかかってしまうこの呪いみたいなもの。しかも、就職困難によって、他のライフプランまでが狂ってしまいます。

 

このブログを色んな方に知っていただくことによって、発達障害者のQOLが少しでも向上することを望みます。

 

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