自治体よ、その支援は正しいのか?
いつもながら、自治体によるこの手の就業支援を見ると、どうも虫酸が走ってしまいます。
今日は発達障害グレーでまだわからない人が陥りやすい、ニート・引きこもり問題についてです。
行政によるニート・引きこもり就職支援策はよくやっていますが、それは本当に効果的なのか、いつも疑問に思っています。
こちらの記事は某都内自治体の広報誌にあった長期間の引きこもりやニート向けの就活支援だと思われるのですが、
「報告書と感想文の違い」
「劣等感と上手につきあう」
えっ…?
見た瞬間に絶句してしまいました。
職が見つからず長く働けなかった人はともかく、自ら望んでニート歴が長く働かなかった人に、「さあ、君たちが数十年引きこもってた間に生まれた周囲との格差でできた劣等感と上手につきあおう!」なんて言っても、たぶんピンとこないと思います。
小学生の時に世の中の社会システムを教えたら?
世の中の小学生に、「イチローになれるように頑張るんだ」という教育論はもはや古いと思いますが、もういっそ、大人たちの世界を最初からウソつかずに教えてしまったほうがいいと思います。
「夢が叶うのはカネとコネがある人、もしくは運がものすごくいい人」
「世の中の8ー9割の人は望んだ職業につけない」
「結婚相手は大卒までに相手見つけないと女性は致命的」
「老後の金の問題」
などなど。
世の中の9割の人は普通の仕事について、色々挫折したりうまくいかなかった人はフリーターになったり、社会に適合できずに引きこもりになったりするんだよ、という事を幼いうちに教え込んだほうがいいと思います。
ニートには成功体験をあげよう
お花畑ニートも引きこもりも経験した身分から言わせていただくと、彼らには何故か妙にある、ふてぶてしいまでの「自信」、そして「いつか俺は花開くぜ」という妙なプライド、そういった、どこか夢見がちな面があります。
そんなことよりも、既存の労働システムにポンと放り込む一歩手前くらいのゆるいレベルの労働を体験してもらったほうが、早いです。
社会に挫折してニートになってしまった人には劣等感は生まれますが、そこから「劣等感とつきあう」机上の講座なんかよりも、ポンと就職支度金でも渡していろんなコースが選べるカレッジのような所に通わせて、自分に経験と自信をつけさせたほうがいいと思うんです。毎度毎度、自治体のこうした講座を見るたびに思うのですが、どうしてこうも違うベクトルに税金と困っている人を放り込むのだろう?
役所の人は挫折を知らないのでしょうか?
役所仕事やってる人はSPIが高く、集団適応能力があり、事務処理能力が高い人がやってるんだと思います。
だから、既存の概念から抜け出せず、言いたい意見もあまり組織の中では言えないので、無難なほう無難なほうへ支援策が行ってしまうんではないでしょうか?
たしかにニートや引きこもりを世の中に出すのは大変だと思います。
でも、役所のこの手の講座に行っても、(自分も行ったことがあるが)あまり変わらないです、本人の意識は。
むしろ、きちんと成功体験を植え付けるような「体験」を与えてあげることが大切だと思います。
ニートには社会経験と成功体験と出会いが足りない
ニートがニートになってしまうのは、社会的に認められたり、成功体験が少ないからです。
ボランティアでその辺の掃除やらせてできたらたくさん褒めるとか、農場で野菜が採れるまで栽培をやってみようとか、●●を作ってみようとか、数百円ー数千円でできるそんな簡単な経験をいくつも積ませることで、少しずつ自分を見つめ直すチャンスが与えられると思います。
特に、引きこもってしまう人は、良い「出会い」が極端にないのだと思います。
同じ人、同じ環境にいても、人間何も変わりません。
私は、アホかもしれませんが、借金して大学に行きました。
それが実質の社会に出る就職用のパスポートだったし、自分を変えるきっかけが欲しかったからです。
小さなきっかけから積み重ねていかないと、何も始まりません。
今を生きるためにできる精一杯の努力を引きこもりの人もしないといけないし、そういうきっかけを考える役所の人も、できる限り、最高の出会いと体験を提供しないといけないと思います。
全国から、外に出るきっかけを失った引きこもりの人が出られるよう祈っています。
軽度含む発達障害が生きられる社会へ! 署名のご協力をお願い致します。