30年間泣いていた<発達障害なんてない>

発達障害者雇用で就労していた筆者が、発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、自分&他のケース、独り言などをまとめました

<発達障害者雇用で働いていた筆者が、
発達障害者が生きにくい社会についての考察や時事問題、
自分&他のケース、独り言などをまとめました

発達障害は障害者向け特例子会社にも必要ない存在だと思った

もういい加減、障害者雇用をやめませんか?

 

 

(長めの記事です)

f:id:htt2415:20171130211856j:image

f:id:htt2415:20171130211900j:image

 

 

 

 

当社は、来年設立29周年を迎える●●グループの特例子会社です。
社名の「アイ・オー」は、Input/Outputの頭文字をとったものであり、文字通り、入力・出力・確認を中心とした業務を行っています。
当社で活躍中の障害のある社員は、聴覚をはじめ、視覚、肢体、内部、精神・発達など様々です。そんな当社の特徴としてあげられるのは、健常者の社員のもとで障害のある社員が働くのではなく、健常者、障害者が“協働”していること。障害のある社員が健常者の社員に仕事を教えている場面は当社では決して珍しいことではありません。また、各部署ごとに毎朝手話を使った朝礼を実施しております。
もちろん、社員一人ひとりが「正確性」を持って丁寧に業務を進め、責任感とチームワークを意識しながら、やりがいを持って働いています。

 

 

>現在当社では、社長のもと「日本一の特例子会社」を目指すべく、日々邁進しています。
みなさんもぜひ、当社で能力を発揮し、活躍してください!
ご応募お待ちしています。

 

 

 

 

 

とのことです。

わあ、障害者雇用がんばってますね!(棒)

 

 

障害者雇用がんばってますね! (※ただし発達障害雇用除く)

 

もうはなから発達障害なんて採用する気がない会社っていうのが書いてある企業も実際ありますし、自分も障害者向け雇用面接会でも「発達障害は無理です」って言われたことがあります。

 

たとえば、冒頭の企業ですと

 

>社員一人ひとりが「正確性」を持って

 

>丁寧に業務を進め、責任感とチームワークを意識しながら、

 

>やりがいを持って働いています。

 

 

ADHD>正確な作業が苦手

 

チームワークを意識しながら>組織労働が向いていません

 

さらに採用条件

 

学歴:高卒 以上

■必要な経験/スキル
・PCスキル:基本操作(Word、Excel

■こんな方をお待ちしています!
・コミュニケーション能力のある方
・チームワークを重視して仕事を進められる方
・1つの会社で長く働きたいという意欲のある方
雇用形態 正社員


※登用前に5ヶ月間の有期試用契約期間を設けています。
※勤務時間などにより契約社員の場合あり(応相談)

 

>コミュニケーション能力のある人

>コミュニケーション能力のある人

>コミュニケーション能力のある人

 

 何かの呪いなんでしょうかね、この日本企業特有のコミュニケーション能力重視説は?

外国人から見ると、空気を読め文化が宇宙人のように見えるという特異なまでの「空気を読む」の文化はありますが、日本人はそんなにコミュニケーションが得意な生き物でしたっけ?

 

それはそうと、ここに書いてある文だけ読んでも、最初から発達障害がいらないと書いてあるようなものです。

 

 

ちなみにここを見つけたのは、障害者雇用で「正社員就労」でヒットしたからです。

 発達障害者の障害枠採用では、正社員を目指すことはやっぱり難しいと思いました。

 

発達障害者には組織型労働は向いてない

 

 

私がこの中でも、もっとも無理だなと思ったのが、この一文です。

 

・チームワークを重視して仕事を進められる方

 

 

 

個人を重視するという欧米精神とはまるで反対の、日本型企業の典型ともいえる精神です。

 

海外では、チームはあれど個人の生き方は尊重されます。病欠でも、診断書を出せばきちんと休めます。

 

でも、日本におけるチーム労働とは、基本的には「チームのために滅私する」という行為な気がしています。休みはあまり取ってはいけないし、出る杭は基本的に打たれますし、変わったこそをすれば私みたいにすぐに陰口されたり、組織労働のほうが弾きます。日本の社会はどこまでいってもムラ社会です。

 

 

 

 

なぜ組織型労働が支援前提なの?

 

hattatu-matome.ldblog.jp

 

発達障害の就労支援はされるようですが、その支援方法が、なぜか「組織で働くこと」が前提となっています。

上の記事のコメ欄にあったのですが、

 

"雇用"以外でお金に繋がるサポートも増やせばいいのに
例えば、個人事業主の準備段階から経営の安定まで、専門職が一貫して相談に乗るとか

hattatu-matome.ldblog.jp

発達障害者には士業でうまくいっている人もいます。

「独立」「起業すること」から身を興しても、いいと思うんです。

 

 

定時型出勤=就労?

 

スウェーデン人がイノベーションに強いワケ | グローバル接待の作法 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準toyokeizai.net

 

また、定時コントロールができないという点も、発達障害者が組織型労働に向いていないと思う大きな理由です。 

 

 

 

>そして働く時間も、出社・退社時間が厳しく決められておらず、1日に働く時間数のみ決められています。自分のスケジュールに合わせて午前7時に来て、午後3時に帰ってもよいのです。子どものお迎えなどもあるので、そういう働き方が自然です。

 toyokeizai.net

 

日本の基本的労働土壌を基本的にぶった切ってしまうことになるのですが、私は睡眠効率が悪く朝早く起きるととにかくストレスがたまり体調が悪くなってしまいます。ですので、とりあえず都心部へ混んだ電車で毎朝出勤前するということができません。

この時点でもう、日本の基本的組織労働が不可能な人間ということになります。

 

日本のホワイトワーカーの働き方は、いつまでにやっておいてくれればいいよ、とか、何時に来ても労働時間守ればOKだよ、という北欧の働き方の真逆をいってる気がします。

 

 

企業就労前提の発達障害者雇用は絶対に定着しない

 

どんなに障害者側が頑張っても、無理な型に無理な型を合わせているのだから、どこかで無理が来るんです。

朝起きられない人間に朝早く起きさせて、都心までの通勤をさせることはできません。

 

たとえば、事務職が苦手なADHD人間に、事務職なんてできません。アスペルガーのコミュニケーション苦手脳の人に、チームワークの組織型労働は難しいです。それより、他人より出来る勉強を生かして弁護士や司法書士など士業になってしまったほうが給料もいいし、なにより自分のペースで仕事できます。(儲かるかは別として、継続できなければ仕事として意味がない)

 

 

いっそ、言い切ってしまうほうがいいかもしれません。

 

発達障害に限っては、障害者雇用枠で押し込むような組織型労働はどんなに頑張っても無理です。

 

発達障害は受動的に見えて、いつも新しく珍奇なアイデアを考え出すことのほうが多いです。

他人と知覚が違うので、違う物事の見方をすることが多いからです。

だからよほどどハマりした仕事以外は飽きっぽいですし、あまりにもつまらない仕事だと、やる気が起こりません。

 

うつになって動けない間にはてな発達障害ブログを色々散見しましたが、結構みなさん転職が多いようです。アスペ傾向があっても、入力ばかりする仕事が向いてるとは限りません。女性のADHDはじっとしているようで、内側は多動的で、気が移りやすいです。

 

 

 

 

 

 やっぱり障害枠就労は難しい

 

 

さて、冒頭の事務サポートを行う特例子会社について話を戻します。

 

ちなみにこちらは広告代理店の特例子会社らしいのですが、広告に関することは研修で教えてあげるくらいだそうです。

 

>■主な仕事内容
・データ入力
・伝票照合
・ファイリング など

■配属先例
経理受託系、媒体関連、データベース・サイト管理、データ入力など

■研修
・ビジネスマナー
メンタルヘルスケア
・障害特性理解
・広告ビジネスの基礎知識 など

 

 

研修…?

業務内容研修ってなんだろう。

研修をする側になるのか、教えてもらうのが仕事なのかはよくわかりませんが、業務内容に講師派遣とか書いてないので、おそらく研修を受けさせられるだけなのでしょうか。

 

どちらにしろ、本業の広告屋ではなく特例子会社で働かされる時点で、本当のダイバーシティ登用なんてする気がないんじゃないでしょうか?

 

企画的な仕事のほうがむしろ向いていると思いますが、でもそういう仕事は人気職ですし、コミュ力()が必要なので、まあ、障害枠でわざわざ差し出す席はありません。

 

 

 結局は・・・

 

 

自分でやりたい気持ちがあり、適性が合っていて、チームワークを必要としない仕事…

 

これは、今の日本にはないのかもしれません。

 

個人商店は大資本に淘汰され、自分でお店をやるにもものすごい高い保証金を払わないと、駅前や人のそこそこいる所にお店なんて開けませんからね。

日本じゅうが生きづらいと疲弊しているのも、資本による淘汰により、個人事業者の生き方が狭められているからかもしれません。

起業・独立がしやすければ、発達障害者もまた違う生き方ができるし、日本でもイノベーションが起こるかもしれません。

 

 

 

 

 

今はまだ発達障害者の本当の意味での支援はなされていません。

条件ばかりの企業への就労や、非正規雇用ばかりの障害者雇用ではなく、軽度発達障害者を含めた食住安定のため、ベーシックインカム導入の署名をお願いします

www.change.org

 

 

 

 

 

 

当ブログの画像・文章の転載を禁じます(リンクありの引用を除く)